NAVERまとめでおすすめ映画を紹介して約9万viewいった話
NAVERまとめをやってみたかった
この頃、たしか菅付雅信さんの編集についての本なんかを読んでいた影響でNAVERまとめをやってみたかった。どんなまとめを作ろうかと考えたとき、最初に浮かんだのが映画だった。
僕は映画が好きだ。そして邦画専門と言っていいくらいに邦画を見ている。まぁ邦画が好きなわけだ。
好きな人と好きなものの話がしたい
この欲求は誰しもが持っているのではないだろうか。僕は自分の好きな作品を僕の好きな人たちに見てもらって、その作品の話がしたかった。しかし、僕の好きな邦画作品はあまり多くの人には見られていない。映画を見るというと、まず洋画。そして宣伝にたくさんお金がかかってそうなテレビ局が主導して製作する邦画。(最近はテレビ局製作で大作感ある映画でも面白い作品が増えたような印象がある)そうではなくて、テレビで宣伝されていない作品でも面白い邦画はたくさんあるんだよ!という思いもあって、このまとめを作ることにした。
【最近の邦画】なんだか、また見たくなる邦画10選【ほっこり】
NAVERまとめの公式にもツイートしてもらえた。
RT @matomenaver: 【最近の邦画】なんだか、また見たくなる邦画10選【ほっこり】 - NAVER まとめ matome.naver.jp/odai/213578271…
— わったーさん (@watter97) 2013年1月13日
【2013年公開】今年観るべき邦画、教えます【邦画好きが選ぶ】
その後のお話
初めてNAVERまとめというものをいじってみて、日に日にview数とお気に入り数が増えていくのを見るのは単純に嬉しかった。僕のまとめが、誰かがTSUTAYAでDVDを借りるときの参考になっていたら嬉しいなぁと思ったり。
しかし、「このまとめを見てこの映画見たよ!」というお知らせは僕のところに未だ届いておらず、好きな人たちと好きなものの話をしたいという希望は叶っていません。残念!
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アニメ『化物語』を見た感想
これはキャラ紹介に過ぎない
まず、ネットでの満足度だとか評判だとかを見て、期待値が高くなりすぎていたというのは間違いなくある。その分、期待していたほどの面白さではなかった。(面白くないという意味ではない。)
この作品は<キャラ紹介>に過ぎないのだろうなと思っているから、これだけではこの作品の面白さを判断できない。もちろん面白いシーンや良いシーンはところどころにあるのだが、全体を通して「めちゃくちゃ面白かったわ!」というレベルではなかった。
作品は全15話で「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」「つばさキャット」という5部構成。面白かったのは、「するがモンキー」と「つばさキャット」。この作品が<キャラ紹介>に過ぎないのだろうなと書いたのは、それぞれのキャラクターの細部について描かれていない部分が多すぎるからだ。そのため、よく分からないまま話が進み、のめり込めないまま終わっていく。(ひたぎクラブは2話、まよいマイマイ3話、するがモンキー3話、なでこスネイクも2話しかない)
とはいえ、メインヒロインの戦場ヶ原ひたぎについてはどの部にも登場してくるので、「ひたぎクラブ」のときにはグッと来なかったものの、12話はとても良かった。それは12話まで積み重ねてきて、キャラを理解し感情移入できたからだと思う。
「つばさキャット」が面白かったのも同じ理由。戦場ヶ原ひたぎと積み重ねてきたものがあったからこそ、羽川翼との三角関係のような構図が面白い。
他のキャラもかわいらしいのだが、一人ひとりの話数が短いのであまり感情移入ができない。特に八九寺真宵と千石撫子。なので、これは<キャラ紹介>に過ぎないのだろう。
正直、戦場ヶ原ひたぎと羽川翼を中心に15話やってくれたら『化物語』っていう一つのアニメとしてはもっと面白い作品になったと思う。もちろん、これは長く続くシリーズの序章に過ぎないのだろうから、こういう作品になるのは仕方ないなというのも理解できるのだが。
いろんな演出がされている作品ではあるが、13話か14話でメタ的な発言をしていて、遊んでるなぁと思って笑った。「つばさキャット」にあったラジオのくだりでの阿良々木くんの語りはまさに『荒川アンダーザブリッジ』のリクだった。
他にも、全体を通しての雰囲気は『四畳半神話大系』と『魔法少女まどか☆マギカ』に通じるものがあるように感じた。なんだろう、たくさん色んなカットが切り替わっていく演出とかセリフの掛け合いは四畳半を思い出したし、なんとなくアニメから出ている雰囲気からまどマギを思い出した。
アニメ全体を通して、一番好きなキャラは忍野メメさん。忍野さんのあの雰囲気はかっこいいし、すごく重要な人物なのに全く彼の背景が描かれていないのも謎の人物感があって良い。彼はすごく重要なキャラで、魅力的なキャラだ。過去が描かれるまでの『BLEACH』の浦原さんのような、いろいろ謎があるけどたぶん凄い人でなぜか助けてくれる、的な。
忍野さんがいなかったら、「まよいマイマイ」あたりで見るのをやめていたかもしれない。それくらい大事なキャラだなぁ。
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はじまりの朝
いつの間にか眠っていた。視線をすこし右のほうへ傾けたのだが、その先に時計はなくて今が何時なのかわからなかった。私は体を起こすことはせず、そのまま寝起きの余韻に包まることにした。いつもならば目を覚ますとすぐに起き上がり、まるでスイッチが入った途端にシンバルを叩きだす人形のように忙しなく動き出すのだけど、今日はこのままでいたい。カーテンの隙間から少しこぼれてくる太陽の光があたたかくて気持ちいい。なんて穏やかな一日のはじまりだろう。いや、今日から長く長く続いていく道のはじまりだ。まだ見慣れない白のカーテンを見ながらそう思う。
昨日届いたばかりのテーブルの上には、あの人の好きなコーヒー牛乳が置いてあった。
『発想する会社!―世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーション』から
チームとリーダーがしっかりしていれば、手がけている仕事に対して、おのずからエネルギーを生み出せる。やらなければならない仕事にもかならず楽しいところがある。それを見つけよう。仕事は遊びなのだ。
チームに向かってメリー・ポピンズを聴けと本気で提案しているわけではないが、自分で楽しみを見出すという考えはいまでも適用できる。
子どもと一緒に仕事をする人は、すでにこの原理を理解している。
幼稚園を思い浮かべてみよう。チーム--すなわちクラスは九ヶ月ものあいだ、かなり努力を要するテーマ(新しいアルファベットを習うなど)に熱心に取り組む。幼稚園で何かを習うなんて、半年だってものすごく退屈そうだ。しかし、先生(チームリーダー)は時間を分割して、それぞれを「物語」にする。月ごとに それぞれ何かしら特別な意味を持たせるのだ。秋の色の月、開拓者精神の月、恐竜の月といったぐあいに。代わり映えのしない36週ではなく、かならず何か意味を持っている週や月を過ごすのだ。幼稚園はプロジェクトの連続であり、いたるところに遊びや挑戦、そして多くの楽しみがまき散らされている。
— トム・ケリー&ジョナサン・リットマン『発想する会社!―世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーション』(早川書房、2002年)
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
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気付き
先日、内田けんじ監督(以下、内田さん)の『運命じゃない人』を見た。
DVDには、特典映像として内田さんのインタビューというかトークが収録されており、その中でこの映画を作るきっかけとなったエピソードについて話していた。
内田さんは、高校卒業後アメリカに留学して、映画を学んでいる。
アメリカの大学で映画を学び、日本へ帰ってきてビックリしたのが<携帯電話>だったらしい。というのも、内田さんが高校を卒業して日本を離れる以前、携帯電話の普及率は大したものではなかった。それが、アメリカから帰国したときには、友人みんなが当然に携帯電話を持つようになっていたというのだ。
そして、一番衝撃を受けたのが携帯電話で通話している相手に向かって、「今どこ?」という言葉を発している人を見たときだったらしい。現代の感覚からすると、なんの違和感も感じない会話である。なぜ、内田さんは衝撃を受けたのか。
それは、日本へ帰国する以前、電話における会話で、「今どこ?」なんて会話はあり得なかったからである。電話というのは、自分の知っている<どこか>にいる人にかけるもので、<誰かの自宅>であったり、<会社>であったり、その場所にいる人にかけるものだったのだ。
それが携帯電話での会話だと、「今どこ?」という会話が生まれる。電話を携帯した通話相手が<どこ>にいるかは分からないからだ。
このことから、内田さんは「携帯電話であれば自分がどこにいるのかなんて、いくらでも嘘が吐けるな」と思ったという。そして、『運命じゃない人』のなかで、<携帯電話での会話>は作品を面白くするトリックとしてうまく使われている。これは是非見てもらいたい。
その当時、「今どこ?」という会話の違和感、面白さに気付いた人は、そんなに多くなかったはずだ。内田さんも、日本を離れずにいたら、その面白さには気付かず、『運命じゃない人』という作品は生まれなかったかもしれない。
僕も日頃の生活にたくさんあるはずの<気付き>を、面白がれる人でありたいものです。
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映画『運命じゃない人』の好きなセリフ
◇神田:なんで(電話)しないんだよ!
◆宮田:だって携帯の番号聞いてないもん。
◇神田:なんで聞いてないんだよ。お前気に入ってたじゃないか、いい娘だなって。
◆宮田:いやぁ、なんかタイミングがなくってさぁ。
◇神田:タイミングなんてないよ。お前が作るんだよ、タイミングを! いいか、お前。電話番号なめんなよ! この11桁の数字を知ってるか知っていないかだけが、赤の他人とそうじゃない人を分けてるんだからな。お前はタイミングがないっていう理由だけで、すべての可能性を捨てちゃったんだからな。もっと落ち込みなさいよぉ。
— 内田けんじ監督『運命じゃない人』より
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原研哉&阿部雅世 対談『なぜデザインなのか。』を読んで
南イタリアから来たという、鼻ピアスしているような十八歳の男の子の話ですが、外で買ってきたでき合いのピザをミラノの下宿先の家の食卓で食べるのに、「あのー、テーブルクロスはどこにありますか?」って訊いてる。そんなものを食べるのでも、ちゃんとテーブルクロスを敷くんです。母親手づくりの瓶詰めトマトソースで和えただけ、というシンプルなパスタをつくってくれた男子学生も、パスタを茹でながら、ひょいとお皿をオーブンに入れて温める。「ジュゼッペ!冷たい皿に、温かい料理を盛りつけるなんてあり得ないよ!」というイタリアンママンの声が、もう故郷から聞こえてくるようで(笑)
この話好きなんだけど、日本人だとこれはどういうエピソードになるだろうか?
家に入る時は靴を脱ぐとか? 初めて泊まりで友だちの家にお邪魔するときはなにか手土産を持って行きなさいとか? なんか違う気もする。
これは、ヨーロッパの人々は生活哲学が親とまったく同じで、まぁ宗教による縛りが大きいのかもしれないけれど、という話題の中で出てきたエピソード。
日本人は、親の代の生活哲学とはまるで違う生活をしている。おじいちゃんの代、お父さんの代、自分の代で生活が大きく変わっているはず。僕は親から生活哲学を受け継いでいる? それを子どもに伝えられる? そんなことを考えさせられる。
先代の日本人たちが積み上げてきた歴史、文化というものがどれだけ価値のあるものかということを認識せねば。
他の好きなエピソードだったり覚えておきたいエピソード。
ヨーロッパの人はよく、家族の写真を財布に入れて持っていますでしょう。ずいぶん家族思いなんだなぁ、と思って感心していましたら、ある時、「だってこれがなかったら、何かあったとき、何を手がかりに家族を探すんです?」と言うんです。
こういうのが日本にいるだけじゃ分からない話かも。海外の話を聞いた時に、あくまで自分の感覚で物事を捉えて考えてしまうことが多いけれど、育ってきた環境が違うとそもそもの”前提”が違ったりするのだ。2000年あたりまでユーゴスラビアの紛争は続いていたし。
世界的に見たら、水を撒かなくてもこれだけ緑が生えてくるというのは、石油に匹敵するくらいの財産なんですけれど、そこに気付かずに、岩肌丸出しの国から高い値段で大理石を買って、それを玄関とかトイレ周りにだけ貼っている(笑)
日本での当たり前が、世界の当たり前ではない。
日本の事情をよく知らないヨーロッパ人が日本を見るとわからないわけです。あんなに歴史と文化財産のある長老国日本が、なんでアメリカみたいな若造 を崇拝し、真似して踊っているのか。なぜあんなチープなアメリカンハウスにあこがれるのか。なぜあの歴史の蓄積されていた親の家を修復、復元しないのか。 でも日本では、新しいものを取り入れると一気にいろんなことが刷新されてしまう。生活だって少々混乱しているとはいえ、あっという間に適応してしまった。 もう完全な復元は不可能ですよね。でもそろそろ、とっかえひっかえ新しいものを置き換えて過ごすような生活ではなく、地中に深く根を下ろした植物の、接木の先に生まれてくる鮮やかな新芽のような、そういう生活をつくることを真剣に考える時期ではないでしょうか。
アメリカンハウスに憧れを持つことになんの疑問も持たずに生きている世代だな僕らは。積み上げてきた歴史の重要性、文化の価値を教わっていないからなのか。世代間の文化哲学が受け継がれずに失われるというのは、恐ろしいことだ。
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