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アニメ『化物語』を見た感想

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これはキャラ紹介に過ぎない

 

まず、ネットでの満足度だとか評判だとかを見て、期待値が高くなりすぎていたというのは間違いなくある。その分、期待していたほどの面白さではなかった。(面白くないという意味ではない。)
この作品は<キャラ紹介>に過ぎないのだろうなと思っているから、これだけではこの作品の面白さを判断できない。もちろん面白いシーンや良いシーンはところどころにあるのだが、全体を通して「めちゃくちゃ面白かったわ!」というレベルではなかった。
作品は全15話で「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」「つばさキャット」という5部構成。面白かったのは、「するがモンキー」と「つばさキャット」。この作品が<キャラ紹介>に過ぎないのだろうなと書いたのは、それぞれのキャラクターの細部について描かれていない部分が多すぎるからだ。そのため、よく分からないまま話が進み、のめり込めないまま終わっていく。(ひたぎクラブは2話、まよいマイマイ3話、するがモンキー3話、なでこスネイクも2話しかない)
とはいえ、メインヒロインの戦場ヶ原ひたぎについてはどの部にも登場してくるので、「ひたぎクラブ」のときにはグッと来なかったものの、12話はとても良かった。それは12話まで積み重ねてきて、キャラを理解し感情移入できたからだと思う。
つばさキャット」が面白かったのも同じ理由。戦場ヶ原ひたぎと積み重ねてきたものがあったからこそ、羽川翼との三角関係のような構図が面白い。
他のキャラもかわいらしいのだが、一人ひとりの話数が短いのであまり感情移入ができない。特に八九寺真宵千石撫子。なので、これは<キャラ紹介>に過ぎないのだろう。
正直、戦場ヶ原ひたぎと羽川翼を中心に15話やってくれたら『化物語』っていう一つのアニメとしてはもっと面白い作品になったと思う。もちろん、これは長く続くシリーズの序章に過ぎないのだろうから、こういう作品になるのは仕方ないなというのも理解できるのだが。


いろんな演出がされている作品ではあるが、13話か14話でメタ的な発言をしていて、遊んでるなぁと思って笑った。「つばさキャット」にあったラジオのくだりでの阿良々木くんの語りはまさに『荒川アンダーザブリッジ』のリクだった。
他にも、全体を通しての雰囲気は『四畳半神話大系』と『魔法少女まどか☆マギカ』に通じるものがあるように感じた。なんだろう、たくさん色んなカットが切り替わっていく演出とかセリフの掛け合いは四畳半を思い出したし、なんとなくアニメから出ている雰囲気からまどマギを思い出した。
アニメ全体を通して、一番好きなキャラは忍野メメさん。忍野さんのあの雰囲気はかっこいいし、すごく重要な人物なのに全く彼の背景が描かれていないのも謎の人物感があって良い。彼はすごく重要なキャラで、魅力的なキャラだ。過去が描かれるまでの『BLEACH』の浦原さんのような、いろいろ謎があるけどたぶん凄い人でなぜか助けてくれる、的な。
忍野さんがいなかったら、「まよいマイマイ」あたりで見るのをやめていたかもしれない。それくらい大事なキャラだなぁ。

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